MEMSセンシング&ネットワークシステム展(MEMS展)

1.MEMS展概要

 MEMSによる次世代センサ向けの要素技術とネットワークシステムに関する展示会、「MEMSセンシング&ネットワークシステム展」(以下、MEMS展)の会場展示が2020年12月9日から東京ビッグサイトで開催される。会期は12月11日までの3日間。
 今回は会場でのリアルな展示会とオンライン開催を同時に行うハイブリッド構成となっており、オンラインではすでに2020年10月26日からスタートしている。オンライン展示期間は2021年1月26日まで。
 オンラインでは、出展社の製品紹介やカタログなどの資料を取得することができる。また、会場での商談の予約から実際の商談までオンラインで行うことができるようになっている。また、各種セミナーについても、オンライン登録、会期後のアーカイブ受講も可能になっている。
 MEMS展の出展社数は、海外出展者も含めて33社。うち、大学や研究機関が13社となっている。その中にはフランスを拠点とするCEA-Leti、ドイツのFraunhofer ENASが含まれている。これらの出展者では、開発しているMEMSやMEMSを応用するアプリケーションの展示が中心となっている。

2.出展企業と見どころ

2.出展企業と見どころ
 出展企業は様々な分野にわたっている。本稿ではいくつかの事業分野に分類、紹介していく。事業分野と出展企業の分類は以下のようにした。各社の紹介には()内にブース番号を示している。
 
1)MEMSセンサ、応用製品、アプリケーション技術
 三菱電機、ミライズテクノロジーズ
2)ファンドリ、試作サービス、技術サービス
 エーシングテクノロジーズ計測エンジニアリングシステムシチズンファインデバイスセイコーアイ・テクノリサーチ大日本印刷・MEMSセンター、田口電機工業ティー・ディー・シー(TDC)六甲電子
3)製造装置、設計ツール
SPPテクノロジー、エーシングテクノロジーズ、コシブ精密、三明、芝浦メカトロニクス、ハイソル、Lam Research(ラム・リサーチ)

1)MEMSセンサ、応用製品、アプリケーション技術
(1)三菱電機(オンラインのみ)
 三菱電機は、同社独自方式であるサーマルダイオードを用いた赤外線センサ、その開発技術を紹介している。2種類のダイオードからなる2-in-1 SOIダイオードの導入により従来の1/4以下の画素サイズを実現した。また、グラフェンを応用した赤外線センサ技術も紹介している。

(2)ミライズテクノロジーズ(IW-L22-01)
 デンソーが開発した圧電素子材料ScAlNの技術をその技術を応用した高性能SAWデバイスについて紹介している。ScAlNはアルミ窒化膜(AlN)にスカンジウム(Sc)を添付したもので、SAWデバイスの圧電素子に応用することでで、大幅な性能向上を実現している。

2)ファンドリ、試作サービス、技術サービス
(1)大日本印刷・MEMSセンター(IW-L26-04)
 大日本印刷のMEMSセンターは、MEMSファウンドリ専業として8-6インチウェーハに対応した開発・製造ライン(MEMSセンター)を保有、試作・開発~量産まで一貫したサポートを実現している。マスクについても内製している。

(2)計測エンジニアリングシステム(1W-T31)
 マイクロサイズでの現象が「瞬く間」に発生するMEMS解析に要求されるマルチフィジックス解析ツール「COMSOL Multiphysics」とApplication BuilderCOMSOL CompilerCOMSOL Serverなどの関連ツールが展示の中心。

(3)シチズンファインデバイス(IW-L26-05)
 MEMS加工のほか、微細加工技術、機能性薄膜技術、成型・接合技術を紹介している。また、微小液体を高精度測定し、制御する分析用アンカープレートや分析用流路チップを紹介している。

(4)セイコーアイ・テクノリサーチ(オンラインのみ)
 集束イオンビーム装置(FIB)による微細加工技術形態観察技術と状態分析技術による、種々の分析手法を組み合わせて課題や原因に迫る製品解析サービス、熱分析による物性の微小差検出サービスなどを紹介している。

(5)エーシングテクノロジーズ(1W-P34)
 自社スプレーコータを利用した成膜試作・開発サービスの紹介を行っている。スプレーコータについては装置の項目で取り上げる。また、装置導入後の改善、改良についてのコンサルティング対応も示している。

(6)田口電機工業(IW-L22-04)
 シンクロトロン光X線を利用するLIGA微細加工による直径0.1mm以下の超微細精密ギア、金型、コネクターなどをめっき技術を応用して製作する技術を紹介している。このほか、LIGA技術を利用した高精細X線グリッドなどの応用例を示している。

(7)ティー・ディー・シー(TDC)(オンラインのみ)
 コア技術である超精密ラップ技術、研磨技術とその応用例を紹介している。応用例としては精密鏡面フォイルを取り上げている。

(8)六甲電子(IW-L22-06)
 MEMS加工時に要求される、薄さ100μm以下の薄型化ウェーハのガラスサポートサービス難研削材(SiC,LT,LN,サファイア等)研削・研磨・洗浄加工サービスの紹介を行っている。

3)製造装置、設計ツール
(1)SPPテクノロジーズ(1W-Q34)
 MEMS加工で必要とされる深堀エッチング装置が展示の中心

(2)エーシングテクノロジーズ(1W-P34)
 装置としてはスピンコータを中心に、試作で得られた様々な成膜条件を前提に設計した薄膜コーティング装置を紹介している。

(3)コシブ精密(IW-P36)
 高精度レーザ描画装置により高精度・安価な加工サービスの紹介。フォトマスク(2D)製作、各種エンコーダスリット板に制作例を示す。

(4)芝浦メカトロニクス(1W-P32)
 同社では装置ラインアップのうち、小口径ウエハ向けの装置の販促および、MEMS市場への認知度向上を目的としている。展示の中心はケミカルドライエッチング装置「CDE-80R」。ダメージフリーのエッチング装置であるため、多用途の製品加工に適用が可能となっている。2021年からは既存プロセスに関わらず、デモの相談や有償での受託加工について、積極的に実施していく予定。
 そのほかにも 、スパッタで表面凹凸が少なく、緻密でボイドの無い酸化膜、窒化膜、メタル膜などの厚膜(実績60μm)コーティングが可能な 厚膜コーティング装置、8インチウェーハ対応洗浄装置、機器1台から始められる予知保全のための生産設備管理ツール「キノシステム」の紹介を行っている。

(5)三明(1W-E29)
パターンニング技術と微細検査技術および観察装置、手動リソグラフィ装置、アライメント装置を紹介している。

(6)ハイソル(1W-P31)
 MEMS・微細加工品の試作開発に最適な卓上型ワイヤーボンダーダイボンダーに加え、フリップチップボンダーと最新の温度環境試験装置の実機を展示。実際に操作することも可能となっている。
 
(7)Lam Research(ラム・リサーチ)(オンラインのみ)
 ラム・リサーチはMEMS設計ツールとそれを中核とするMEMS設計自動化の統合環境を紹介している。