イオン注入装置(2022年4月1日)

1.イオン注入装置の分類

 イオン注入装置は用途別に適切なビーム電流、ドーズエネルギよって3種類に分けられる。半導体デバイスのゲート周辺部形成のために微細な構造への高精度なイオン注入を行う中電流イオン注入装置、ソースおよびドレイン形成のために大面積で深い部分にまで不純物を導入するために高ドーズイオン注入をする高電流イオン注入装置、ウェル形成等のための高エネルギーで深いイオン注入をすることのできる高エネルギーイオン注入装置。同装置は電流値としては、中電流領域が使用されている。また、浅い接合向けに注入エネルギーを抑えた低エネルギーイオン注入装置の専用モデルも発表されている。これらモデルでは高電流装置をべースとしている。
 イオン注入装置では、不純物のない高純度のイオンビームをウェーハ内の希望の場所に高精度で打ち込む必要があり、デバイス構造の微細化、複雑化に対応するため、要求される性能も高まっている・
 イオンビームを高純度化するため、ビーム中に様々フィルタを設けてパーティクルやコンタミネーションの混入を防ぐとともに、不要なイオンによるエネルギーコンタミネーションの防止機構が導入されている。生産性を高めるために複数のビームを使用するが、各ビームの干渉、相互汚染を防止し、加工精度を落とさないためにも平行ビームの制御性が高められている。また、注入角度の高精度化も進められている。
 さらに次世代パワーデバイスとして期待されるSiC半導体向けのイオン注入プロセス向けの高温Al(アルミ)イオン注入装置が注目されている。
 SiCは拡散係数が小さいため、不純物拡散に熱拡散プロセスが使用できないため、数種類のエネルギーでイオン注入して、深さ方向にも均一な不純物層を形成する必要がある。同時にドーパントして使用されるAlイオンの移動度を高める必要ある。また、イオン注入後にアニールを行うと、チャネル移動度が低下する。このような課題を解決するため、基板を高温化(基板温度は500~600℃)して、イオン注入を行うことのできる専用装置が開発され、パワーデバイスメ―カで導入されている。しかし、Alイオンは注入に必要なビーム量を得ることが難しく、量産装置としての課題となっている。

2.市場動向