中国半導体製造装置産業の現状と展望

1.中国政府の半導体産業への取り組み

 中国は、改革と開放の40年を経て世界第2位の経済大国、世界第1位の貿易大国となり、急速に進歩した。
 その状況下、中国企業は研究開発を拡大させ、独自チップの開発、2千億ドル以上の輸入チップを中国チップに置き換えることを目的に、国務院は「中国製造2025」の中で25年に自給率を50%、世界のシェアの35%にするために国を挙げて加速させた。それはローエンドからストレージ、アナログ、RF及びその他戦略的な汎用品やハイエンド品を国内で完全に独自のコア技術によって生産することである。
 半導体デバイス大手ファンドの第1フェーズ投資は完了し、第2フェーズの投資が国務院で承認され、Siウェーハ引き上げ、ミラー ウェーハ 加工、再生 ウェーハ 、パッケージング、テスト、サポート機器の開発、投資を進めた。
 2020年10月29日に14次5年計画と2035年に向けた長期目標設定をして半導体設備産業の国産化に力を入る制定が承認された。その結果、税制の優遇、資金調達、IPO支援などを行い国内装置メーカの育成を図っている。
 中国半導体製造装置市場は急成長が続いており、SEMIの統計によると2020 年中国半導体製造装置売上高は前年比 39.3%増の 187億 3,400 万ドルとなった。

2.中国の半導体製造装置の国産化の動向

 巨大な中国半導体市場からの需要に対し、中国半導体製造装置の自給率が極めて低い。米国政府による中Huawei 社(華為)への輸出禁止等により、米中摩擦のエスカレートに備え、製造装置の国産化を加速している。
 「02   専項」が実施されて以来、中国半導体製造装置メーカは投資を拡大しており、海外メーカへのキャッチアップを進めている。

1)エッチング装置
 2020年の中国エッチング装置市場は世界市場の31.2%の40.29億ドルとなっている。米LAM社がトップシェアであるが、中AMEC 社(中微半導体)が20%中NAURA 社(北方華創)が6%のシェアを持っている。
 AMEC社はLED用のMOCVD装置分野でシェアが拡大し、プラズマエッチング装置に参入した。2019 年の売上高は 19 億 4,700 万元で、前年比 18.77%増であった。半導体用装置としては、酸化膜や窒化膜、Low-K用途にPrimo D-RIE🄬Primo AD-RIE🄬、のマルチチャンバーの装置、多層膜エッチング用途にPrimo SSC AD-RIETM、レジスト除去用途にはPrimo iDEA🄬があり、RPS(オーバーヘッドリモートプラズマソース)によりプラズマダメージを少なくレジスト処理が可能である。また、3D-NAND及びDRAMの高アスペクト比のトレンチやコンタクトホールのエッチングが可能なPrimo HD-RIETMがある。シリコン貫通電極(TSV)用途にはPrimo TSV🄬 が先端パッケージ分野のCMOSイメージセンサ、2.5D、3Dパッケージ分野に使用されている。ICP(誘電結合プラズマ)を使用した高密度プラズマエッチング装置Primo nanova🄬をラインアップし、中SMIC、台TSMC 社、台UMC 社等大手ファウンドリ企業に納入されているという。
 中NAURA 社(北方華創)は中国「02 専項」のうちの多数の開発プロジェクトを引受けており、中国ハイエンドIC 生産プロセス向け装置メーカである。2019 年の売上高は前年比 22.10%増の 40 億 5,800 万元 で同社産 12 インチシリコンウェーハ製造用エッチング、PVD装置、縦型酸化炉、洗浄装置、搬送装置、ALD装置、LPCVD装置等は既に中国の主流ウエハ生産ラインに導入されている。
 Piotech社(拓荊科技)は「02専項」中のプロジェクトを3つ引き受け、合計453件の特許を申請した。ハイエンド半導体薄膜装置の研究開発、生産、販売と技術サービスを専門とし、2016年、2017年、2019年には、中国半導体産業協会から「中国の半導体装置企業トップ5」の称号を授与された。12インチのプラズマCVD(PECVD) PF-300T やALD装置 FT-300T はパッケージ分野で利用されている。3D NAND用途で初めて国産装置で導入されたのがPECVD装置NF-300Hである。

2)露光装置
 中国ステッパ市場において、中Shanghai Micro Electronics Equipment(SMEE)社(上海微電子装備)のステッパー技術が最先端で、既に 90nm ステッパーの開発に成功した。中国「02 専項」のうち、「VLSI IC 製造装置及び関連プロセスプロジェクト」を引受けており、65nm  ステッパーの研究開発を行っている。

3)結晶成長装置
 結晶成長装置において、中Jingsheng  社(晶盛機電)は中国において唯一な完全な単結晶育成装置の開発に成功した中国企業である。

4)テスト装置
 テスト装置において、中Hangzhou ChangChuan Technology 社(長川科技)産テスト装置と分離装置の競争力が強く、既に中JCET 社(長電科技)、中 Tianshui Huatian Technology 社(華天科技)、中 TFME 社(通富微電)、台 ASE 社等のOSATに導入されている。

3.中国 IC 製造装置メーカートップ10

 2020 年 7 月 17 日、CEPEA が 2019 年中国 IC 製造装置メーカートップ10 を発表した。総売上高は 63 億 1,500 万元となった。

 2019 年生産開始した上海積塔半導体第 1 期および北京燕東第 1 期(8 インチ生産ライン)の設備投資額の 50%以上は中国国産半導体製造装置の購入に使用した。2019 年生産開始した中YMTC 社(長江存儲)、合肥長鑫(12 インチメモリ生産ライン)が購入した中国産半導体装置は両社が購入した製造装置全体の 10%に達している。
 中 Beijing E-Town International Investment &Development 社(北京亦庄国際投資)社が米 Mattson Technology 社を買収するために、2015 年 12 月に中Beijing  E-Town  Semiconductor 社(北京屹唐半導体)を設立した。買収完了した後、中Beijing E-Town Semiconductor 社(北京屹唐半導体) のウェーハプロセス製造装置の売上高が急成長し、2019 年は一気に上位 2  位となった。
 また、TOP10 にランクインしなかったが、中Tianjin Hwatsing Technology 社(華海清科)のCMP 装置の販売台数が 2018 年 2 台から2019 年の 12 台に上がった。中PNC Process Systems(至純科技)が生産したシリコンウェハ洗浄装置の売上高は 8,000 万元以上となった。